アメリカンフットボールのタックル問題について
2000年、神戸 王子スタジアムにて
アメリカンフットボールの話題が昨今大きな話題となっていて、私も興味深く見ています。というのも、私は大学からアメリカンフットボールをはじめ、社会人になってからは広島の社会人クラブでアメリカンフットボールを続けていたからです。写真は社会人チームでの写真です。白い〇で囲ったのが私です。
実は、大学3年生の時、今回ケガをさせた選手と同じポジションでプレーしていました。このポジションはウィークサイド・ディフェンスエンドと言って、このポジションのミッションはクォーターバック(QB)が走るのを防ぐことです。ですから、全プレーQBに向かって猛突進します。フルスピードです。
ですから、実際にボールを持っているQBにタックルすることがあればそれはものすごい衝撃になります。アメリカンフットボールの選手のタックルは、大学の選手でも軽トラックが壁にぶつかったくらいの強い衝撃があります。だからこそ、普段から首の筋肉を鍛えたり、体幹をトレーニングしたりと、ケガをしない体づくりも行っているのです。
関西学院大学側も言っていましたが、今回のプレーは、スポーツの範囲を超えているものです。有馬隼人さんが記者会見で「笛の音が聞こえていたか」という質問をしたけれど、それが本質なのだと思います。
アメリカンフットボールの選手であればボールを投げた後のQBにタックルすればレイトタックルという反則で罰則を科されることも知っているし、そのような行為は通常はしないからです。
不本意にアメリカンフットボールがこのように毎日報道されることに対し、経験者たちは心苦しく思っています。日本ではまだマイナーなアメリカンフットボールをどのように盛り上げようかと考えている関係者の気持ちを踏みにじるものでもあるからです。
また、ここ数年は大学スポーツを全米体育局(NCAA)のように責任の所在がある組織にすべきだ。チームも法人化すべきだという議論があり、その矢先の出来事でした。
この機会に、このような変革も進められ、アメリカンフットボールが日本でも人気スポーツとなるように私も何かできることをやっていきたいと思います。