コンビニのレジはどうして自動精算レジ(自動釣銭機)を導入しないのか、から考えるシステム化
スーパーではすっかり定着した感のある自動釣銭機搭載のレジ。
しかし、大手コンビニで導入しているところがありません。なぜ自動精算レジ(自動釣銭機)を導入して効率化しようと考えないのかというとこに疑問を感じている方もいるのではないでしょうか。(あまりいないかもしれませんが・・)
システム化をしてうまくいくというのは、まずそもそも非効率であった作業が効率化されるということが前提です。
あれだけ毎日取引が行われているコンビニのレジが自動釣銭機を導入しないというのは、それなりの理由があるはずと考えて間違いないでしょう。
私はコンビニ業界の人間ではないので、あくまで外からの考察ではありますが、コンビニが自動精算を導入しないのには「そもそも手渡しの方が効率が良い」ということが理由だと考えています。
例えばこんな場面を想定してください。
相手は900円の商品に対して1000円を渡しました、おつりは100円です。
このとき自動精算機の場合
1)1000円を預かる
2)1000円を機械に挿入する
3)おつりが出てくる
4)出てきたおつりを手渡す
の手順が必要です。
一方、手渡しの場合
1)1000円を預かったど同時にキャッシャーを開く
2)おつり(100円)を渡す
これで、お客様との取引は完了します。領収書も同時に渡すことができます。
いかがでしょうか。
明らかに手渡しレジの方が早いと想像できると思います。
私たちエバーシステムは、システム化で本当に効率化できるのかという視点を常に持ちながら仕事をしています。例えばWEBでの出欠確認システムを作ったとしても、利用するユーザーの一部にアナログな手段しか使えない人がいれば、結局手間が増えて非効率化してしまうといったことも起こります。
コンピュータ化すればいい、システム化すればいい、という前に、それがビジネスにおいてどんなインパクトをもたらすかを常に考えることが重要だと、私はコンビニへ行く度に思うのです。あれだけの人間の英知を結集して莫大な予算をかけて作ったコンビニPOSシステムで自動精算機を導入しない。それが本当のシステム化なのだと。
例えば、あるレストランでは、入口の受付スタッフをホールスタッフとは別で雇って常時受け付けで対応をする配置にしたところ、売上が向上したという事例もあります。
広島の福屋というデパートではエレベータガール、昔風に言うと「エレガ」を導入して好評だったりします。
一方、ある航空会社でファーストクラスの食事をタッチ画面から注文できるシステムを導入し、トラブル続出で失敗に終わったという事例もあります。
だから、システムというのは面白い。
そう思いませんか?